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食肉汚染と利尿薬のコンタミネーションの可能性に対するWADA最低分析報告濃度の設定

重要な案内

2021年5月20日WADA常任理事会にて決定後、詳細がWADAのホームページにて公開されていますので、アスリート、サポートスタッフ、競技団体およびその他関係者の皆様に以下情報提供致します。参考資料とあわせてご確認ください。

WADA publishes Stakeholder Notices regarding potential contamination cases related to meat and diuretics


【背景】
・海外にて肥育目的で使用された禁止物質による食肉の汚染や、利尿薬の混入といった複雑なコンタミネーションに関する問題への対応が世界的に求められていた
・上記については国内でも発生事例があり、日本からもWADAへ当該閾値の設定を求めていた
・上記課題に対して、WADAは汚染物質作業部会を立ち上げ、最低分析報告濃度に関する議論が世界的になされてきた


①食肉の汚染

  • アスリートの検体から検出された禁止物質クレンブテロール、ラクトパミン、ジルパテロール、ゼラノール、またはその代謝物の濃度が5 ng/mL以下の場合、WADA認定分析機関は、結果管理機関(国内検査においては、JADA)に非定型報告(Atypical Finding)を行う。そして、結果管理機関は、「結果管理に関する国際基準」の第5.2条に基づき調査を行う
  • 調査の結果、検出された物質が食肉汚染と一致すると判断された場合にのみ、それ以上アスリートに対する措置をとらない(違反を問わない)。ただし、「世界アンチ・ドーピング規程」の第13.2.3条に記載されている不服申し立てを行う権利を持つ当事者に対し、その調査の結果を報告する
  • 調査の結果、検出された物質が食肉汚染であると合理的に判断されなかった場合、「結果管理に関する国際基準」の第5.1条に従って、違反が疑われる分析報告(Adverse Analytical Findings)として取り扱う

アスリートに求められる行動

Stakeholder Notice regarding potential meat contamination cases

②利尿薬の混入(コンタミネーション)

  • アセトアゾールアミド、ブメタニド、フォロセミド、ヒドロクロロチアジド、トラセミド、トリアクテレン又はその代謝物の1種又は2種以上がアスリートの検体において推定濃度20 ng/mL以下であれば、WADA分析機関は結果管理機関(国内検査においては、JADA)に違反が疑われる分析報告(Adverse Analytical Findings)または非定型報告(Atypical Finding)報告を行わない
  • ただし、体重別がある競技(具体は以下WADA公開の「Stakeholder Notice regarding potential diuretic contamination cases」のA.2を参照)においては、上記利尿薬と代謝物が20 ng/mL以下であっても、WADA分析機関は結果管理機関(国内検査においては、JADA)に非定型報告(Atypical Finding)として報告し、結果管理機関は必ず調査を行う

    ・調査の結果、利尿薬の不慮の混入(コンタミネーション)であると合理的に判断された場合にのみ、それ以上アスリートに対する措置をとらない(違反を問わない)。ただし、「世界アンチ・ドーピング規程」の第13.2.3条に記載されている不服申し立てを行う権利を持つ当事者に対し、その調査の結果を報告する
    ・調査の結果、利尿薬の不慮の混入(コンタミネーション)であると合理的に判断されなかった場合、「結果管理に関する国際基準」の第5.1条に従って、違反が疑われる分析報告(Adverse Analytical Findings)として取り扱う

アスリートに求められる行動

Stakeholder Notice regarding potential diuretic contamination cases