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<国内>アンチ・ドーピング活動における製薬産業との連携

スポーツにおいて、ドーピングを目的とした医薬品の不正使用は、アスリートの重大な健康上のリスクを伴う場合があると同時に、スポーツの価値をおとしめることになります。
そして、そのリスクはトップアスリートにとどまらず、アマチュアスポーツや学生スポーツにも拡大する可能性があります。
このような社会状況を受け、ドーピングを「社会的課題」としてとらえ、スポーツ界だけでなく製薬産業との協調の輪が広がっています。

アンチ・ドーピング活動における医薬分野との連携

JADA、WADA、日本製薬団体連合会の共同宣言

JADA、WADA、日本製薬団体連合会の共同宣言1 JADA、WADA、日本製薬団体連合会の共同宣言2 2013年6月26日-JADA、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)、日本製薬団体連合会(FPMAJ)の三者により、「スポーツの価値を守り発展させるための活動を協働で推進すること」を目的とする、共同宣言が発表されました。
本共同宣言は、ドーピングに用いられる薬の乱用や誤用を防止し、クリーンなスポーツを通して人や社会の発展に貢献することを目的としています。
具体的には、連携したアンチ・ドーピング活動を推進するために、医薬品を扱う専門性を有する人や、検査方法の研究・開発、または新薬開発等に携わる人に対して、JADAやWADAが適切な情報提供を行い、FPMAJおよびその加盟団体がその活動を支援・協力することなどが期待されています。

世界に先駆けてのスポーツ界と製薬業界の相互連携の実現として、調印式にはWADA常任理事を務める福井照文部科学副大臣(当時)にもご臨席を賜りました。

第2回製薬業及びアンチ・ドーピングに係る国際会議(東京)

第2回製薬業及びアンチ・ドーピングに係る国際会議1 第2回製薬業及びアンチ・ドーピングに係る国際会議2 2015年1月28日-医薬品を不正に使用(乱用、目的外使用)するドーピングからアスリートを守るため、製薬業界とスポーツ界との間で課題を共有し、対策を協議することを目的として開催されました。
文部科学省、WADA、ユネスコ、JADAが主催し、製薬業界より日本製薬工業協会(JPMA)、日本製薬団体連合会(FPMAJ)、国際製薬団体連合会(IFPMA)の後援を賜り、世界保健機構(WHO)や国際刑事警察機構(INTERPOL)など11ヶ国より300名以上が参加しました。

WADAと製薬業との情報共有、協働関係の実践例が共有され、より効果的なアンチ・ドーピング戦略、活動方法について討議されました。また、次なるステップとして、各組織内において社会的な使命が理解され、レギュラトリーサイエンスの提案、そして新しいイニシアティブや研究を進める必要性が共有されました。

国際的な医薬品開発計画特定支援キャンペーン ~2つのフィールド、1つのゴール~

2012年7月23日-ジュネーブ、ワシントンD.C.およびモントリオールにて、国際製薬団体連合会(IFPMA)、生物工学産業組織(BIO)、WADAの3つの国際機関が共同で、本キャンペーン「2つのフィールド、1つのゴール」を立ち上げました。

本キャンペーンでは、パブリックヘルスの観点から、製薬会社には社会的な責任があり、医薬品乱用が業界全体へ悪影響を及ぼす認識を共有すること、そして、自社製品の中にアスリートによって乱用される恐れのある製品が存在する場合は、薬が承認される前であっても、各企業がWADAに協力する取り組みが進められることとなりました。
IFPMAからも「ドーピング乱用の可能性のある化合物の特定およびWADAとの情報共有」と題する冊子が公開されています。ここでは、バイオテクノロジー企業および製薬企業が、スポーツにおいて乱用の可能性がある化合物を、市販前に特定するための実践的なガイドラインを掲載しています。それにより、臨床試験実施中の化合物の乱用が最小限に抑えられると同時に、ドーピング目的の不正使用の可能性が確認されている医薬品に関する情報共有が促進されることが期待されています。

参照: https://www.ifpma.org/partners-2/2-fields-1-goal/

医薬品開発計画特定支援キャンペーン