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国内の連携

国内におけるアンチ・ドーピング活動推進の法律的背景

『スポーツ基本法(2011年/平成23年施行)』の前文では、「スポーツは世界共通の人類の文化である」と示されており、第三章 基本的施策において「ドーピング防止活動の推進」として「日本アンチ・ドーピング機構と連携を図り、ドーピング検査、アンチ・ドーピングに関する教育及び啓発、その他の体制の整備や海外のアンチ・ドーピング機関への支援」について明記されています。
『スポーツにおけるドーピング防止活動の推進に関する法律(2018年/平成30年施行)』は、スポーツ基本法および、スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約の趣旨にのっとり、アンチ・ドーピング活動に関する施策を総合的に推進することを目的に制定されました。この法律により、アンチ・ドーピングのルールを破ることは法律違反となります。 さらに、行政機関や日本スポーツ振興センター、JADAなどの関係機関がスポーツにおけるドーピングに関する情報の共有ができるよう、国が必要な施策を講じるものとされており、この法律に基づいて、日本におけるインテリジェンス活動が推進されることが期待されています。

国内アンチ・ドーピング活動の体制

日本アンチ・ドーピング規程は、世界アンチ・ドーピング・プログラムを推進するため、日本で適用される規程です。日本アンチ・ドーピング規程においては、署名当事者として日本オリンピック委員会(JOC)、日本パラリンピック委員会(JPC)、日本スポーツ協会、国内競技団体、アスリートとサポートスタッフの役割と責務が明記されており、国内におけるアンチ・ドーピング活動推進のため、それぞれの組織や個人が、その責務を理解し、行動することが求められています。国内においてのドーピング検査や教育活動など各プログラムは、この日本アンチ・ドーピング規程に則って実施されています。

また、WADAより実施されたわが国のアンチ・ドーピング体制に対する監査において、国内のドーピング検査活動のより明確な客観性と独立性を求める指摘がなされました。国内ドーピング検査及び財源の規模についての基本方針を審議・策定するためのアンチ・ドーピング体制審議委員会(体制審議委員会)を設置することとなり、競技団体等から独立した運営主体となる日本スポーツフェアネス推進機構が設立されました。

体制審議委員会により決定された検査及び財政規模についての基本方針のもとで、JADA は、年間の検査計画を立案し、検査を実施しています。

他領域との連携による相乗的なアンチ・ドーピング活動の推進

現在ドーピングは、スポーツの問題から、社会的な問題へと変わりつつあります。
より実効性のあるアンチ・ドーピング活動を展開していくために、JADAは異なる専門領域を持つ組織との連携を積極的に行っています。
例えば、2013年にJADAは、「世界アンチ・ドーピング機構」と、日本の製薬団体を束ねる連合会である「日本製薬団体連合会(FPMAJ)」の三者により、スポーツの価値を守り発展させるための活動を共同で推進することを目的に、共同宣言を発表しました。ドーピングに用いられる可能性のある処方薬、一般用医薬品、開発段階になるある化合物などの不正使用防止のために、三者が情報共有を行う協力体制を構築することとなりました。

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2020年に向けた官民連携の国際貢献(SPORT FOR TOMORROW)

日本国政府が推進するスポーツを通じた国際貢献事業「SPORT FOR TOMORROW」が2014年より開始しています。世界のより良い未来を目指し、スポーツの価値を伝え、オリンピック・パラリンピック・ムーブメントをあらゆる世代の人々に広げていく取り組みです。SPORT FOR TOMORROWは、スポーツ・フォー・トゥモロー・コンソーシアムによって運営されています。コンソーシアムには、スポーツ庁や外務省、スポーツ関連団体、自治体、大学、民間企業、NGO/NPOなどが参加し、各組織の機会やコンテンツを共有するマッチングを通して、相乗的な活動が展開しています。

JADAは、コンソーシアム運営委員会の一員として、海外のアンチ・ドーピング機関における体制の整備や、スポーツの価値を通して未来のアスリートやリーダーを育成する活動等を実施しています。コンソーシアムメンバーと連携し、これまでJADAでは接点を持つことができなかった地域や対象者に対しても、アンチ・ドーピングやスポーツの価値に関するメッセージを発信しています。

JADAのSPORT FOR TOMORROWにおける活動